危険物取扱者試験例題集

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例題集 NO1 解答・解説

 例題は法令15問、物理化学10問、性質10問が1パターンになります。

危険物に関する法令
問題1 消防法上の危険物の定義として、次のうち正しいものはどれか。

(1)

可燃性の液体及び気体のものをいう。

(2)

消防長が指定した物品をいう。

(3)

火災予防条例で定められた物品をいう。

〇(4)

危険物とは法別表の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。

(5)

都道府県知事が定めた、発火性及び引火性の物品をいう。

【解説】

(4)が正しい
(1)可燃性及び不燃性の液体及び固体をいう。気体はない
(2)消防法で指定した物品をいう。
(3)消防法で定められた物品をいう。
(4)消防法で定められた物品をいい、それ自体が発火又は引火しやすい危険性を有している物質のみでなく、他の物質と混在することによって燃焼を促進させる物品もふくまれている(第一類、第六類)。。
(5)消防法で定められた、発火性及び引火性の物品をいう。

ポイント

消防法は「危険物とは法別表の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。」と定義している。その他政令で定めているものもある。
問題2 予防規程について、次のうち正しいのはどれか。

(1)

予防規程を定めた時は、市町村長等の認可を受けなければならない。

(2)

すべての製造所等は、予防規程を定めなければならない。

(3)

政令に定められた、技術上の基準に適合していない製造所等は、予防規程を定めなければならない。

(4)

危険物取扱者か又は危険物施設保安員が、予防規程を作成しなければならない。

(5)

自衛消防組織を設置している事業所は、予防規程を定めなくてもよい。

【解説】

(1)が正しい
(2)すべての製造所等ではない
(3)予防規程を定めなければならない製造所等は解説の7つ
(4)所有者等が作成
(5)そんな規定はない

ポイント

特定の製造所等では、所有者等は火災予防のため、予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。
<予防規程を定めなければならない危険物施設>
施設の区分 貯蔵、取扱う危険物の数量等
製造所 指定数量の10倍以上
屋内貯蔵所 指定数量の150倍以上
屋外タンク貯蔵所 指定数量の200倍以上
屋外貯蔵所 指定数量の100倍以上
給油取扱所 すべて
一般取扱所 指定数量の10倍以上
移送取扱所 すべて
問題3 次の危険物を同一場所で貯蔵した場合、指定数量の倍数の合計はいくらになるか。
なお( )内は危険物の指定数量を表す。
過酸化水素(300g)・・・・・・・・・・300g
過酸化ベンゾイル(10kg)・・・・・20kg
過マンガン酸カリウム(50kg)・・・110kg

(1)

2.5倍

(2)

3.8倍

(3)

5.2倍

(4)

6.8倍

(5)

7.5倍

【解説】

(3)が正しい
(300/300)+(20/10)+(110/50)=5.2

指定数量の倍数計算方法を問う問題である。

ポイント

貯蔵又は取扱うそれぞれの危険物の数量を、それぞれの危険物の指定数量で割った数値の和が倍数になる。通常第四類の指定数量の問題が多いが、最近他の類の指定数量の問題も出ているので代表的な物品は覚えておく必要がある。

問題4

法令上、学校、病院等の建築物から一定の保安距離を保たなければならない製造所等は次のうちどれか。ただし、特例基準を適用する製造所等は除く。

(1)

屋外貯蔵所

(2)

給油取扱所

(3)

簡易タンク貯蔵所

(4)

移動タンク貯蔵所

(5)

第1種販売取扱所

【解説】

(1)が正しい

<保安距離を保たなければならない製造所等>
製造所等 保安距離 保安対象物
製造所
屋内貯蔵所
屋外貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
一般取扱所
3m以上 7000Vを超え35000V以下の特別高圧架空電線(水平距離)
5m以上 35000Vを超える特別高圧架空電線(水平距離)
10m以上 同一敷地住居
20m以上 高圧ガス、液化石油ガス施設
30m以上 学校、病院、劇場、映画館等その他多数の人を収容する施設
50m以上 重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡等

ポイント

<保安対象物でないもの>
7000Vの高圧架空電線、高圧埋設電線、同一敷地内住居、大学、重要文化財を保管するための倉庫など。学校は幼稚園から高校まで。
問題5 消火設備について次のうち正しいのはどれか。

(1)

消火設備は第1種から第6種に区分されている。

(2)

第4類の危険物に適応する消火設備を第4種消火設備という。

(3)

乾燥砂は第5種の消火設備に該当する。

(4)

消火粉末を放射する小型消火器は第4種消火設備である。

(5)

泡を放射する大型消火器は第3種消火設備である。

【解説】

(3)が正しい
(1)消火設備は第1種から第5種に区分されている。
(2)大型消火器を第4種消火設備という。
(4)消火粉末を放射する小型消火器は第5種消火設備である。
(5)泡を放射する大型消火器は第4種消火設備である。

<消火設備は第1種から第5種に区分されている。>
  消火設備の種類
第1種 屋内消火栓設備
屋外消火栓設備
第2種 スプリンクラー設備
第3種 水蒸気消火設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
第4種 大型消火器(防護対象物までの歩行距離が30m以下となるよう設ける)
第5種 小型消火器(防護対象物までの歩行距離が20m以下となるよう設ける)
乾燥砂等
問題6 第1種販売取扱所と第2種販売取扱所の基準で、正しいのはどれか。

(1)

第1種販売取扱所は指定数量が15以下のものをいい、第2種販売取扱所は指定数量の倍数が15を超え30以下のものをいう。

(2)

第1種販売取扱所の店舗は建築物の 一階又は二階に設置することができる。第2販売取扱所の店舗は建築物の一階に設置すること。.

(3)

第1種販売取扱所の危険物は容器入りのままで、販売すること。第2種販売取扱所の危険物は販売室で小分けして販売することができる。

(4)

第1種販売取扱所は窓の位置に関する規制はない。第2種販売取扱所は延焼の恐れのない部分に限り窓を設けることができる。

(5)

第1種販売取扱所は危険物を配合する室は設けることができない。第2種販売取扱所は危険物を配合する室を設けることができる。

【解説】

(4)が正しい
(1)第1種販売取扱所は指定数量が15以下のものをいい、第2種販売取扱所は指定数量の倍数が15を超え40以下のものをいう。
(2)第1種、第2種販売取扱所の店舗は建築物の 一階に設置すること。
(3)第1種、第2種販売取扱所容器入りのままで、販売すること。
(5)第1種、第2種販売取扱は危険物を配合する室を設けることができる。

ポイント

店舗において容器入りのままで販売するため危険物を取扱う取扱所で、指定数量の倍数が15以下のものを第一種販売取扱所という。倍数が15を超え40以下のものを第二種販売取扱所という。
<第一種販売取扱所と第二種販売取扱所の違い>
設備 第一種販売取扱所 第二種販売取扱所
準耐火構造 耐火構造
屋根(上階がない場合) 耐火構造 又は、不燃材料 耐火構造
防火設備(場所の限定なし) 防火設備(延焼の恐れのない部分)
共に小分け販売はできない。一階に設置、配合する室を設けることができる。

問題7 次のうち、あらかじめ届出が必要な場合はどれか。
(1) 危険物の品名(種類)、数量又は指定数量の倍数変更をするとき。
(2) 険物保安統括管理者の選任、解任をするとき。

(3)

危険物保安監督者の選任、解任をするとき。

(4)

製造所等の譲渡又は引渡を受けたとき。

(5)

製造所等の廃止をするとき。

【解説】

(1)が正しい

ポイント

危険物の品名(種類)、数量又は指定数量の倍数変更をするときは、0日前までに届出を地町村長等に出す。その他は遅滞なく届出を出す。
問題8 市町村長等は、製造所等に対して危険物施設の許可の取り消し又は使用停止命令を発令することができるが、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

製造所等の位置、構造、設備が技術上の基準に違反しているとき。

(2)

完成検査証を交付される前に使用したとき。

(3)

製造所等の位置、構造、設備についての措置命令に違反したとき。

(4)

一定規模以上の屋外タンク貯蔵所、移送取扱所の保安検査を受けていないとき。

(5)

定期点検の実施、記録の作成、保存がなされていないとき。

【解説】

(1)が誤り

消防法では、法令の規制を遵守させるため、危険物の貯蔵・取扱・危険物施設の維持・管理などの規制を守らない危険物施設の所有者、管理者または占有者などに対して、種々の命令を出す権限を市町村長等に与え、規制の徹底を図っている。
製造所等の位置、構造、設備が技術上の基準に違反しているときは、危険物施設の基準維持命令・修理、改造または移転の命令が出される。その命令に違反した場合に危険物施設の許可の取り消し又は使用停止命令を発令される。
問題9 法令上、定期点検の実施者として、適当でない者はどれか。ただし規則で定める漏れの点検を除く。

(1)

危険物取扱者の免状を有しない危険物保安統括管理者。

(2)

乙種危険物取扱者

(3)

丙種危険物取扱者

(4)

危険物取扱者の免状を有しない危険物施設保安員

(5)

甲種危険物取扱者の立会いを受けた、免状を有していない者

【解説】

(1)が誤り

危険物保安統括管理者は資格(免状)は必要ないが、免状を有していない危険物保安統括管理者は危険物の取扱いはできない、また点検もできない。

<定期点検の実施者>
危険物取扱者(甲、乙、丙)
危険物施設保安員
危険物取扱者以外の者(危険物取扱者(甲、乙、丙)の立会いが必須)
ポイント (注)危険物の取扱いの立会いは、甲と乙。定期点検の立会いは、甲、乙、丙ができる。
※漏れの有無を確認する点検については「点検の方法に関する知識及び技能を有する者」が実施しなければならない。
問題10 危険物施設保安員について、次のうち正しいのはどれか。

(1)

危険物の倍数が100の屋内貯蔵所には危険物施設保安員を定めなければならない。

(2)

危険物施設保安員は、甲種又は乙種危険物取扱者の中から選任する。

(3)

製造所の所有者又は管理者は、危険物施設保安員を定めた時は市町村長等へ届出をする。

(4)

施設の構造及び設備に係る保安の業務を行う。

(5)

危険物保安監督者が不在の時は、危険物施設保安員が作業現場の監督と作業の指揮をする。

【解説】

(4)が正しい

危険物施設保安員は危険物の倍数が100以上の製造所、一般取扱所及びすべての移送取扱所で選任しなければならない。
資格(免状)、選解任の届出は必要なし。
(5)危険物保安監督者が不在の時は予防規定で定められた職務の代行者が作業現場の監督と作業の指揮をする。
問題11 危険物取扱者の免状に関する説明として、次のうち正しいのはどれか。

(1)

免状の記載事項に変更が生じたときは、自ら書き換えておくことができる。

(2)

免状には、甲種、乙種、丙種危険物取扱者の3種類がある。

(3)

免状は危険物取扱者試験に合格した者に対して市町村長が交付する。

(4)

免状を亡失した者が、再交付を受けた後に亡失した免状を発見したときは、書き換えの申請をする際に提出しなければならない。

(5)

免状の返納を命じられるのは、当該危険物取扱者の所属する製造所等が使用停止命令を受けたときである。

【解説】

(2)が正しい

(1)免状の記載事項に変更が生じたときは、自ら書き換えておくことができない
(3)免状は危険物取扱者試験に合格した者に対して都道府県知事が交付する。
(4)発見してから10日以内に再交付を受けた都道府県知事提出しなければならない。
(5)免状の返納を命じられるのは、危険物取扱者が消防法令に違反しているとき

「危険物取扱者」は、危険物取扱者の免状の交付を受けている者のことで、危険物取扱者になるには危険物取扱者試験に合格し、都道府県知事に交付申請し免状の交付を受けなければならない。
問題12 走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、危険物取扱者の免状の提示を求めることができる権限を持つ者は次のうちどれか。

(1)

都道府県公安委員長

(2)

市町村長

(3)

消防庁長官

(4)

消防吏員と警察官

(5)

都道府県知事

【解説】

(4)が正しい

消防吏員又は警察官は、火災の防止のため、特に必要があると認めるときは、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、乗車している危険物取扱者に対して、危険物取扱者の免状の提示を求めることができる。
問題13 次の文の(  )に当てはまる語句はどれか。
「製造所等において危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は、危険物の取扱作業の保安に関する講習を、原則として前回の受講日以後における最初の4月1日から(    )以内に受けなければならない。」

(1)

2年

(2)

3年

(3)

4年

(4)

5年

(5)

6年

【解説】

(2)が正しい

製造所等において危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は、都道府県知事等が行う保安に関する講習を受講しなければならない。
@継続して危険物の取扱作業に従事している場合
 保安講習を受講した日以後における最初の4月1日から3年以内に受講
A危険物の取扱作業に従事していなかった者が、新たに危険物の取扱作業に従事することになった場合
 従事することになった日から1年以内に受講
B従事することになった日から起算して過去2年以内に危険物取扱者の免状の交付、又は講習を受けている場合
 免許交付日またはその受講日以後における最初の4月1日から3年以内に受講
ポイント C従事しなくなった者、又は従事していない者は受講義務なし!
問題14 法令上、危険物の貯蔵の技術上の基準について、次のうち正しいものはどれか。

(1)

移動貯蔵タンクの底弁は、使用時以外は完全に閉鎖しておくこと。

(2)

危険物を保護液中に貯蔵する場合は、危険物の一部を必ず露出しておくこと。

(3)

屋外貯蔵タンクの防油堤は、雨水が滞水しないように水抜口を常時開放しておくこと。

(4)

移動タンク貯蔵所には、完成検査済証を備え付ける必要はないが、緊急時の連絡先を記載した書類を備え付けなければならない。

(5)

法別表第一に掲げる類をを異にする危険物は、それぞれ指定数量が10倍以下の場合を除き、同一の貯蔵所で貯蔵してはならない。

【解説】

(1)が正しい
(2)危険物を保護液中に貯蔵する場合は、危険物は露出させてはならない
(3)屋外貯蔵タンクの防油堤の水抜口は通常閉鎖しておき、防油堤内部に滞油し、又は滞水した場合は速やかに排出する。
(4)移動タンク貯蔵所には、完成検査済証、定期点検記録、譲渡・引渡の届出書、品名・数量又は指定数量の倍数の変更の届出書の書類を備え付けておくこと。
(5)法別表第一に掲げる類をを異にする危険物は、原則同一の貯蔵所で貯蔵してはならない
問題15 危険物の取扱いのうち、消費及び廃棄の技術上の基準について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

埋没する場合は、危険物の性質に応じて安全な場所で行う。

(2)

焼却による危険物の廃棄は行ってはならない。

(3)

染色又は洗浄の作業は、可燃性の蒸気が発生するので換気に注意するとともに、廃液をみだりに放置しないで安全に処理する。

(4)

焼き入れ作業は、危険物が危険な温度に達しないようにして行うこと。

(5)

バーナーを使用する場合は、バーナーの逆火を防ぎ、かつ危険物があふれないようにすること。

【解説】

(2)誤り

焼却する場合は、安全な場所で他に危害を及ぼさない方法で行い、必ず見張り人をつける。 焼却できないわけではない。
基礎的な物理学及び基礎的な化学
問題16 次のA〜Eの物質のうち、常温(20℃)、常圧で燃焼の形態が主に蒸発燃焼のものはいくつあるか。
A.ジエチルエーテル B.石炭 C.軽油 D.セルロイド E.コークス 

(1)

なし

(2)

1つ

(3)

2つ

(4)

3つ

(5)

4つ

【解説】

(3)が正しい
A.ジエチルエーテル、C.軽油 
可燃物質は、気体、液体、固体に分けることができ、これらの三態に応じいろいろな燃え方がある。また燃焼の種類は可燃物そのものが燃焼する表面燃焼、液体や固体から発生する可燃性の蒸気(気体)が空気と混合して燃焼する蒸発燃焼分解燃焼及び自己燃焼の4つに分けられる。
<燃焼の種類>
分類 燃焼の仕方 可燃物例
蒸発燃焼 蒸発した蒸気が燃焼 ガソリン、エーテル、ベンゼン、硫黄、エタノール、黄リン、ナフタリン
分解燃焼 熱分解によって発生した蒸気が燃焼 木材、パラフィン、ローソク、石炭、プラスチック
自己燃焼 分解燃焼のうち、物質中に酸素を含有する物が燃焼 セルロイド、ニトロセルロース、火薬
表面燃焼 固体自身が固体表面で燃焼 炭、木炭、コークス、アルミニウム箔

ポイント

第4類の危険物はすべて蒸発燃焼
問題17 危険物の燃焼のしやすさとして、次のうち関係のないものはどれか。

(1)

燃焼範囲の広いもの。

(2)

含有水分の少ないもの。

(3)

引火点の低いもの。

(4)

発火点の低いもの。

(5)

気化熱の大きいもの。

【解説】

(5)が誤り
物質の三態変化の気化熱、融解熱、凝固熱、昇華熱等は潜熱といい、状態変化に使われる熱で燃焼には関係ない。

<燃焼の難易(燃焼のしやすい条件)>
@酸化されやすいほど燃えやすい。
A酸素との接触面積が大きいものほど燃えやすい。
B発熱量(燃焼熱)の大きいものほど燃えやすい。
C熱伝導率の小さいものほど燃えやすい。
D乾燥度が高く含有水分が少ないものほど燃えやすい。
E可燃性蒸気を発生しやすいものほど燃えやすい。
F周囲の温度が高いほど燃えやすい。
G引火点、発火点が低いものほど燃えやすい。
H燃焼範囲が広いものほど燃えやすい。
問題18 発火点の説明として、次のうち正しいのはどれか。

(1)

可燃性物質を加熱した場合、空気がなくても発火する最低の温度。

(2)

可燃性液体の表面上に、燃焼範囲の下限値以上の濃度の蒸気を発生する最低の液温。

(3)

可燃性物質を空気中で加熱した場合、火源がなくてもみずから燃え出すときの最低の温度。

(4)

可燃性液体の液面上に、燃焼を継続することのできる濃度の蒸気を発生する液温。

(5)

可燃性液体の蒸気に点火することのできる、点火源の温度。

【解説】

3)が正しい
<発火点>
加熱によって物質みずからが燃え出すときの最低温度を発火点という。

<引火点>
可燃性の物質から発生する可燃性蒸気の濃度が、燃焼範囲の下限値に達したときの液温をいう。
問題19 消火の方法と、消火効果を組み合わせたもので、正しいのは次のうちどれか。

(1)

訓練でオイルパンの中の灯油を燃やし、粉末消火器で消火した・・冷却効果

(2)

天ぷらなべの油が燃え出したので、霧状強化液消火器で消火した・・除去効果

(3)

こぼれた油が燃えていたので、乾燥砂で覆って消火した・・冷却効果

(4)

ガソリンの火災を、二酸化炭素消火器で消火した・・窒息効果

(5)

石油ストーブが異常燃焼したので、泡消火器で消火した・・除去効果

【解説】

(4)が正しい

(1)訓練でオイルパンの中の灯油を燃やし、粉末消火器で消火した・・窒息効果
(2)天ぷらなべの油が燃え出したので、霧状強化液消火器で消火した・・抑制、冷却効果
(3)こぼれた油が燃えていたので、乾燥砂で覆って消火した・・窒息効果
(5)石油ストーブが異常燃焼したので、泡消火器で消火した・・窒息効果

ポイント

乙種4類の危険物の消火は泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末等の消火剤による窒息消火が効果的である。
問題20 金属粉が燃える理由として(A)〜(E)のうち、誤っているのはどれか。
「一般に金属は(A.酸化)されやすいが、火災危険の対象とされていない。これは金属が熱の(B.良導体)であるため、(C.酸化熱)が蓄積されにくいためである。しかし、これらの金属を細分化し粉状態とすれば(D.酸化表面積)の増大、熱伝導率が(E.大きく)なるなどの理由から燃えやすくなる。」

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

【解説】

(5)が誤り

熱伝導率の小さいものほど燃えやすい。熱がたまりやすく、逃げにくいからである。通常大きなものほど燃えやすいが、熱伝導率は小さいものほど燃えやすい。
問題21 液体危険物が静電気を帯電しやすい条件について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

圧力をかけられた液体が、ノズル、亀裂等の断面積の小さな開口部から噴出したとき。

(2)

液体が液滴となって、空気中に放射されたとき。

(3)

直射日光に長時間さらされたとき。

(4)

液体相互又は液体と粉体等を混合、攪拌(かくはん)したとき。

(5)

導電性の低い液体が、配管を流れた時。

【解説】

(3)が誤り

直射日光に長時間さらされたとしても帯電現象はおきない。

<静電気の発生機構>
接触帯電 2種類の物質を接触させたのち、分離させるとき電荷が現れる現象
流動帯電 管内や容器の中を液体が流動する際の帯電現象
沈降帯電 流体中を他の液体、固体が沈降する際の帯電現象
破砕帯電 固体を砕くときに帯電する現象
噴出帯電 液体が高速でノズルなどから噴出する際の帯電現象
問題22 有機化合物について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

有機化合物は、鎖式化合物と環式化合物の2つに大別される。

(2)

有機化合物の成分元素は、主に炭素、水素、酸素、窒素である。

(3)

有機化合物は一般に水に溶けにくい。

(4)

有機化合物の沸点、及び融点は、無機化合物に比べ低いものが多い。

(5)

有機化合物は一般に不燃性である。

【解説】

(5)が誤り

<有機化合物の特徴>
@成分元素は、主体が炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)で一般に可燃性である。
A比較的に少ない原子からできているが、有機化合物の種類は非常に多い。
B有機物の多くは空気中で燃え、完全燃焼すると二酸化炭素と水になる。
C一般的に水に溶けにくく、有機溶媒(アセトン、アルコール、エーテルなど)によく溶ける。
D一般的に無機物質に比べ分子量が大きいものが多い。
E結合の仕方の相違から組成が同じであっても性質の異なる異性体が存在する。
F有機化合物の結合の大部分が共有結合であるため、反応速度は比較的遅く、反応も複雑なものが多い。
G融点・沸点の低いものが多い。

ポイント

第4類の危険物の特徴が有機化合物の特徴!
※異性体とは、分子式が同じで、分子内の構造が異なり、性質が異なる物質。
問題23 理想気体の体積に関する記述で、次のうち正しいのはどれか。

(1)

気体の体積は、圧力及び絶対温度に関係なく一定である。

(2)

気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する。

(3)

気体の体積は、圧力及び絶対温度に比例する。

(4)

気体の体積は、圧力及び絶対温度に反比例する。

(5)

気体の体積は、圧力に比例し、絶対温度に反比例する。

【解説】

(2)が正しい

<ボイルの法則>
「温度が一定のとき、一定量の気体の体積は圧力に反比例する。」
<シャルルの法則>
「圧力が一定のとき、一定量の気体の体積は、絶対温度に比例する。」
ボイル・シャルルの法則

ポイント

質量が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例し、絶対温度に比例する。」となる。
問題24 物質の状態変化に関する説明として、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

水は固体、液体、気体の3つの状態がある。

(2)

状態が変化する際に、熱エネルギーの出入りを伴う。

(3)

気圧が高いと、沸点は低くなる。

(4)

固体が直接気体に変化することを昇華という。

(5)

固体が液体に変化することを融解といい、液体が固体に変化することを凝固という。

【解説】

(3)が誤り

沸点とは、その液体の飽和蒸気圧が外圧の圧力に等しくなる温度である。沸点は外圧の大小によって変化するため、外圧が高くなれば沸点は高くなり、外圧が低くなれば沸点は低くなる。
問題25 鋳鉄をグラインダーで研磨すると火花が発生し、これが引火の原因になることがあるが、この場合の火花について説明したものはどれか。

(1)

溶解した鋳鉄が、微粒化して発光したものである。

(2)

鋳鉄の小片が、燃焼しながら落下したものである。

(3)

研磨によって蓄積された静電気が、放電したものである。

(4)

研磨によって発生した鉄の微粒子が、摩擦熱で発光したものである。

(5)

周囲の空気が、摩擦熱によって高温になり発光したものである。

【解説】

(4)が正しい

研磨によって発生した鉄の微粒子が、摩擦熱で発光したものである。そのとおり
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
問題26 危険物の第1類から第6類について、次のうち正しいのはどれか。

(1)

1気圧20℃で引火するものは、すべて危険物である。

(2)

すべての危険物に引火点がある。

(3)

すべて燃焼する。

(4)

すべての危険物が、炭素、酸素、水素を含有している。

(5)

1気圧20℃で固体又は液体である。

【解説】

(5)が正しい

(1)1気圧20℃で引火しないものもある。第1類酸化性固体など。
(2)引火点のない、不燃性の危険物、第1類酸化性固体など。
(3)燃焼しない不燃性の危険物、第1類酸化性固体、第6類酸化性液体など。
(4)無機化合物、第6類酸化性液体など炭素を含有していない。
問題27 第四類の危険物の一般的性状として、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

液体の比重は1より小さいものが多い。

(2)

引火性である。

(3)

蒸気比重は1より大きい。

(4)

殆どの発火点は100℃以下である。

(5)

常温(20℃)で液状のものが多い。

【解説】

(4)が誤り

ポイント

発火点が100℃以下は、特殊引火物の二硫化炭素のみ。
問題28 火災とそれに適応した消火器の組み合わせとして、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

電気設備の火災 ・・・・・・・・・・・・・・・ ハロゲン化物消火器

(2)

電気設備の火災 ・・・・・・・・・・・・・・・ 泡消火器

(3)

石油類の火災 ・・・・・・・・・・・・・・・ 二酸化炭素消火器

(4)

木材等の火災 ・・・・・・・・・・・・・・・ 強化液消火器

(5)

石油類の火災 ・・・・・・・・・・・・・・・ 粉末(りん酸塩類)消火器

【解説】

(2)が誤り

泡消火器には、合成界面活性剤泡、水成膜泡があり水溶液として充填され、ノズルから放射される際に空気を混入して発泡する、普通火災、油火災に適応する
問題29 第四類の危険物の消火方法として、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

軽油の火災にハロゲン化物消火剤を使用する。

(2)

水溶性液体危険物に通常の泡消火薬剤を使用する。

(3)

ガソリン火災に二酸化炭素消火薬剤を使用する。

(4)

灯油の火災にりん酸塩類の粉末消火薬剤を使用する。

(5)

重油の火災に通常の泡消火薬剤を使用する。

【解説】

(2)が誤り

アルコール、アセトン等の水溶性液体は泡の水膜を溶かし、泡を消滅しやすくなるため、水溶性液体用消火薬剤(耐アルコール泡)を使用する
問題30 舗装道路に流出したガソリンの火災に霧状の水消火器を使用してはいけない理由として、次の組み合わせで正しいのはどれか。
A.ガソリンが水に浮き、燃焼面が拡大するから。
B.水滴がガソリンをかき乱し、燃焼を激しくさせるから。
C.水滴がガソリンを飛散させるから。
D.水が側溝を流れ、ガソリンを遠くまで運ぶから。
E.水が沸騰して、ガソリンを飛散させるから。

(1)

A・B

(2)

A・C

(3)

B・D

(4)

D・E

(5)

A・D

【解説】

(5)が正しい
A.ガソリンが水に浮き、燃焼面が拡大するから。とD.水が側溝を流れ、ガソリンを遠くまで運ぶから。
水に溶けないような危険物の火災に水を使用すると、危険物が水に浮いて、火災範囲を広げるので、水による消火は適当でない。
問題31 ガソリンの性状として、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

第一類の危険物と混合すると、発火の危険性がある。

(2)

ガソリンは、工業ガソリン、航空ガソリン、自動車ガソリンの3つに分けられる。

(3)

ガソリンの組成は、炭素4〜10程度の炭化水素混合物である。

(4)

流動等によって、静電気が発生する。

(5)

発火点はおおむね100℃であり、第四類の危険物の中で最も低い。

【解説】

(5)が誤り

<ガソリンの性状>ガソリンの数値は覚えておいてください。
発火点はおおむね300℃である。
水に溶けず、ゴム、油脂などを溶かす。炭素数4〜10の炭化水素の混合物。

自動車用(オレンジ)、工業用(無色)、航空機用(緑色)の3種類に分けられる。

極めて引火しやすい。引火点−40℃、
燃焼範囲は1.4〜7.6%
蒸気は空気より重いので低所に滞留しやすい。
電気の不良導体、流動により静電気を発生しやすい。
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火が効果的。
問題32 軽油について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

水より軽い。

(2)

水に溶けない。

(3)

引火点は20℃〜30℃の範囲内である。

(4)

石油臭がある。

(5)

第一類と第六類の危険物と混触すると、発火の危険性がある。

【解説】

(3)が誤り

<軽油の性状>
引火点は220℃である。ガソリンよりも低い。
淡黄色、または淡褐色の液体、石油臭
炭化水素を主成分とした混合物。
水に溶けない。
水より軽い。
加温などにより液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリン同様。霧状になって浮遊するとき、布などに染みこんだときは空気との接触面積が多きなり、危険性が増大。
問題33 重油の一般的な性状等について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

水に溶けない。

(2)

日本工業規格では、A重油、B重油、及びC重油に分類される。

(3)

水より重い。

(4)

発火点は100℃より高い。

(5)

C重油の引火点は、70℃以上である。

【解説】

(3)が誤り

<重油の性状>
褐色又は暗褐色の粘性のある液体
炭化水素を主成分とした混合物。
水に溶けない。
水よりやや軽い。重い油と書くが水より軽い。
動粘度により、
1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)があり、1種と2種は引火点60℃以上、3種は70℃以上と規定されている。
問題34 酢酸の性質として、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

水分の少ないものは、冬期氷結(17℃以下)になると凝固する。

(2)

トルエン、ベンゼンに溶ける。

(3)

粘性があり、水に溶けない。

(4)

二酸化炭素、粉末、耐アルコール泡などの消火剤により消火する。

(5)

金属やコンクリートを腐食させる。

【解説】

(3)が誤り

<酢酸の性状>
無色透明の液体、刺激臭(酢の原料で黄色だと思われるが、本来は無色透明)
[氷酢酸]、一般的に純度95%以上のものが氷酢酸といわれている。
約17℃以下になると凝固する。
水、アルコール、ジエチルエーテルによく溶ける。
水溶液は弱い酸性。
食酢は酢酸の3〜5%の水溶液。
可燃性、金属やコンクリートを腐食する有機酸で、高純度よりも水溶液のほうが腐食性が強い。
皮膚を腐食し火傷を起こす。
濃い蒸気を吸入すると、粘膜を刺激し炎症を起こす。
問題35 第四類のアルコール類について、次のうち誤っているのはどれか。

(1)

引火点は0℃より高い。

(2)

水又は有機溶剤に良く溶ける。

(3)

沸点は水より高い。

(4)

比重は1より小さく、蒸気比重は1より大きい。

(5)

無色で芳香ある液体である。

【解説】

(3)が誤り

<アルコール類>
アルコール類とは、一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む。)をいい、その含有量が60%未満の水溶液を除く。
沸点は100℃以下。
 
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